モンテッソーリ教育では、図形の構成と分解を理解するための教材の一つとして、「構成三角形(constructive triangles)」が用いられます。
構成三角形のお仕事では、様々な三角形を組み合わせて別の三角形や六角形などの図形を作ることで、一つの図形がどういった図形に分解できるのか、どういった図形を組み合わせると目的の図形ができるのかといった、図形の構成と分解を学んでいきます。
自己学習習慣の育成：構成三角形を使って子どもたちは自分自身で試行錯誤をしながら図形を構成していきます。(初めのうちは大人が使い方ややり方を示しますが、慣れてきたら大人は見守り、子どもが自分でできることを目指します。)この試行錯誤を繰り返していくことで、目的の三角形を自分で構成できた!という成功体験を積み重ね、「学ぶことは楽しい！」という感覚を身につけます。
幾何学的な能力の養成：様々な三角形を組み合わせることで、大きな三角形や四角形、六角形などを作ります。このおしごとを通して、三角形の形状やサイズ、位置関係について観察し、形の分類や比較、対称性や相似性などの高度な幾何学習まで感覚的に体に染み込ませることができます。将来、学校で再び習った時、「いつかはわからないけど、どこかで触れ合ったことがある気がする！」という感覚になり、理解がより深まります。
自己表現力や創造力の発揮：構成三角形のおしごとでは、自分で三角形を組み立てたり、既存の図形を再現したりします。2枚の三角形で四角形を作り、重ね合わせた辺を変えると別の図形が出来上がります。複数の小さな三角形を使って大きな六角形を作ると、その一部を中くらいの三角形に置き換えることができます。(三角形の等価)
「ここをこれに置き換えられるかな？」「この2枚の三角形の向きを変えたらどうなるだろう」と常に考えるので、表現力や創造力が養成されます。
【3. まとめ 】
以上のように、構成三角形は、幅広い遊び方ができ、様々な能力養成をサポートできる教材です。
子どもたちが自由に遊びながら、知識や技能を身につけることができるため、モンテッソーリ教育で重要な役割を果たしています。
